リステリンで淋病が治るという話を信じてはいけない

ソープに頻繁に通う方なら、聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?

「リステリンで淋病が治る!?」という話を。

淋病はフェラチオやクンニを通じて、のど⇔性器で感染することもある感染症なので、風俗に行くほとんどの男性にとって無関係ではない病気です。淋病についての詳しいことは、たくさんのサイトで説明されているので検索してみてください。

この淋病に、あのリステリンが効果あるらしいという話なのです。

どういうことか詳しく見ていきましょう。

風俗Q&Aドットコム - 業界人に相談できるQ&Aサイト
↑今回の注目のご質問は、T156 B93 W88 H110の女性が風俗店の面接に落ちまくっている(でもデブ専の店には入りたくない)、普通の店は無理なのか?というご相談です。回答は自粛致します。あと、このサイトの別のスレッドでの話ですが、日本で風俗で働く女性って30万人もいるんですね。ちょっとした地方中核都市じゃないですか。

 

私はこの「リステリンが淋病に効く説」をある嬢様から聞きました。「リステリンって淋病に効くらしいよー」って。この話、結構ホットなニュースで、2016年12月20日にイギリスの「Sexually Transmitted Infections (STI)」という医学誌のオンライン版で発表された研究結果なんです。ちなみに「Sexually Transmitted Infections」を日本語訳すると「性感染症」になるので、「性感染症」というあまりに直球な名前の機関誌です。

「リステリン 淋病」で検索をかけると、このニュースの記事がたくさんヒットします。そのほとんどが、一次資料であるSTIの論文の概要を伝えるニュースメディアか、ニュースメディアの記事をさらに摘んだブログ、もしくはメディア風ブログです。

元の論文はこちら
Antiseptic mouthwash against pharyngeal Neisseria gonorrhoeae: a randomised controlled trial and an in vitro study

このタイトルを見て、意味が分かる方います?先生(Google)が訳したのをアレンジすると、「消毒マウスウォッシュが咽頭淋菌に対抗:ランダム化比較試験と試験管で研究」みたいな文になります。どういうことなんでしょう?

リステリンって意外に歴史のある製品で、発売されたのは1879年。最初は消毒液や床を掃除する洗浄剤として使われていたそうです。開発者は「フケ」と淋病の治療にも効果があると主張をしていました。どこからパクってきた内容っぽいでしょう?しかし、ちゃんとここ(このエピソードの大元の資料っぽい)にそう書いてあります。

開発者は淋病に効果があると主張していましたが、誰も科学的な研究をしてこなかったので、今回実験してみたということらしいです。使ったリステリンはクールミントとトータルケアだと論文に書いてあります。

その辺り細かい話は置いておいて、我々ソープ客が知りたいのは「実際に効果あるの?」ということです。

結論から先に言いますと、リステリンで淋病を予防できたり、治癒できたりするほど世の中は甘くない、ということのようです。

この論文の著者のひとりであるEric Chow氏自身が「まだ分からない。今の段階ではリステリンを推奨することはできない」と言っています。

Chow氏自身が「まだ予備実験 (very preliminary)」と言っていて、「もっとデータが必要」としています。論文の中でも「長期に渡る効果の検証をしていない」、「ほんの短い時間しか効果がない可能性は排除できない」、「被験者の数が58人というのは少なすぎる」と書かれています。「毎日リステリンでうがいすれば、淋病に効果があるかも」とは書きつつ、今回の研究結果はその根拠にはならないと本人たちが言っているのです。

論文が書かれているページの左側にある「Responses」というリンクがあって、そこにも「マウスウォッシュは淋病の感染を防ぐ手段にはならず、この論文は安全性に関する誤解を招く」、「マウスウォッシュの使い過ぎは、口内フローラを破壊し、他の感染症を招く可能性がある」という反論が書かれています。

下にリンクを貼っている記事にも書かれていますが、論文では菌を抑制する(淋菌が減った)とは書かれていますが、「治癒する」とは書かれていません。さらに予防云々の話はまったくしていません。

そういうことなので、「リステリンを使えば淋病が予防できるらしいよ」「リステリンで淋病が治るらしいよ」みたいな話を言うビジネスパーソンやお客さんがいたら、「それは違う」、もう少しきちんと言うなら「その根拠になる研究結果は発表されていない」と言っておきましょう。「ボク、毎日リステリンやってるから性病にはかからないんだよ」などと言ってナマでやろうとする輩がいたら、トリプルレッドカードをくれてやりましょう。そもそも予防に関しては、今回の実験の主旨から大きく外れています。

今回の実験は咽頭淋菌に関するものなので、「おチンポをリステリンで満たされたコップに突っ込む」、もしくは「オマンコにリステリンを噴射する」といった電撃ネットワーク的行為をサポートするものでは全くありません。

そんなリステリンですが、少なくとも一時的には口臭を抑制(こちらも治癒ではない)する効果はあります。1000ml+500mlのものは割安なので、お買い求めの際はぜひ下のリンクからご購入ください。高い方は1000ml+250mlの2本セットです。割高ですが、小さなボトルはセッション前にこそっとトイレでうがいをするのに最適です。

最後になりましたが、本記事を書くにあたり、主に英語の面でサポートしてくださった友人たちに感謝を申し上げます。論文は英語が普通にできる人でも途中でサジを投げるほど難しかったようで(当たり前か)、下のサイトが参考になったそうです。

Listerine Won’t Cure the Clap(リステリンは淋病を治癒しない)

それと、えー、実はわたくし、淋病の経験者でして。大昔ですよ。ブログを始めるずっと前です。このブログを見ている方の中にも1人くらいはいるでしょう?ま、その体験談は気が向いた時に。

5 件のコメント

  • 淋病の治療薬と云えばクラビットやジスマロック等の抗生物質が一般的だそうです。治療に関しては医師の判断に委ねて下さいと、知り合いの泌尿器科医が言ってました。ようは疑わしかったら病院に行けという事ですね。

    さてさて、ヨーロッパで古くからハーヴが医薬品として使われてきた歴史が有ります。日本や中華圏の漢方薬のような扱いでしょうか。その中でもエルダー・フラワーと云う名前のハーヴが中世より、うがい薬として使われていました。その歴史は古く大航海時代にはベネッチアやジェノヴァの船乗りたちが、風邪や喉の病気の予防の為に使っていたと文献には有ります。またハーヴ・ティーとしても用いられ、アンゼリカとブレンドしたものを中世ヨーロパの娼婦たちが好んでいたそうです。アンゼリカには身体を暖める作用や去痰、発汗などの作用があり、エルダー・フラワーと合わせて用いる事により、病気になり難いと信じられています。ちなみにエルダーもアンゼリカもかなり苦いです。

    も一つ雑学。特殊なお風呂屋さんには必ずグリンスなる消毒用洗剤が用意されています。私は性病の罹患歴が有りませんので、話しに聞くだけですが、淋病やクラミジア等に罹患した状態でグリンスで洗われると強い痛みを感じるそうです。ベテランのお姉さん方の中には洗体の際、ソープの中にこのグリンスを混ぜ、病気の予防をされる方もいらっしゃいます。ちなみに女性の方はこのグリンスでデリケーな部分を洗ってしまうと在常菌が死んでしまい、却って性病に罹患する確率が高くなってしまったり、カンジタ等の症状が出てしまいますのでご注意ください。

    • Mr.南の島のアッシュ、コメントありがとうございました。そのグリンスかどうか知りませんが、同じような話を何度も聞いたことがあります。でも、どこかのサイトで専門家の方が、性感染症に感染している人だけが痛がるような液体なんてないと書かれていたのを記憶しています。

      あと、ツイッターでリツイートしたのですが、「NSを初めて2週間でクラミジアに感染。その後、8ヶ月で4回もクラミジアにかかった」という話を聞きました。怖いですね。

  • 初耳です。風俗で言うところの「税金」が所得税や社会保険料等を示しているかであるかのようなレベルの都市伝説ですね。
    こんなのを信じる方がどうかしてる…と思ってしまいますが、「予防に資する可能性がないわけではない」という意味では正しいのかもしれないですね。

    淋病、症状を聞くだけで嫌になります。自分でできる限りの予防はしますが最後はくじ引き的な要素もあると思うので願わくば当たらないことを祈るばかりです。

    • OKMさん、コメントありがとうございます。オーラル用のコンドーム等で完全武装しなければ、完全にくじ引きですよね。ロシアンルーレットというか。

  • 感想やご意見はこちら。ルールを守らない人には天誅を。

    メールアドレスは必須ではありません。アドレスを記入しても公開されることはありません。批判は受け付けますが、誰かの個人情報を晒すようなコメントは許しません。

    日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)