あなたの目の前に1本の注射器が置いてある。
今まで誰が、何人の人間が使ったか分からない注射器だ。10人かもしれないし、1000人かもしれない。多分、1時間前にも誰かが使った。その誰かは過去に何本の注射を使ってきたのだろう?あなたは知らない。そういう注射器が目の前にある。
この注射器にどれだけの人の過去が宿っているのだろう?あなたは考えもしない。
そんな注射器を女が躊躇なく自分の腕にぶっ刺す。
「これ、チョー気持ちいいから」
「3ヶ月前までは綺麗な状態だったって、先月末に病院で言われたから。安心だよね」
女はその注射器をあなたに渡す。
あなたも注射器を腕にぶっ刺す。刺して刺して刺しまくる。それから、ちょうど排尿と同じくらいの時間の快感を味わう。
これであなたも注射器兄弟の仲間入り。
1時間後に、女は別の男に対して同じことをする。明日も、来週も。昨日、先週と同じように。
以上、風俗でコンドームなしでする性交に対する私のイメージでした。
注射器の針を使いまわしている病院があったら、第一級の社会問題になるでしょう。あなたは、とんでもねぇことだと言うでしょう。とんでもねぇことを、お金を払ってやっている人たちがいるわけです。
12月1日は世界エイズデーです。
ソープでNSをやっている皆さん、病気は怖くないですか?よーく考えましょう、カラダは大事ですよ。
ソープ関係者のみなさんも、12月1日は「今日は世界エイズデーですよ。エイズについて、ちょっとだけ考えましょう」というメッセージをWebに貼っては如何でしょうか?NSを許容している店も、勇気を振り絞ってやってみませんか?

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前も書きましたが、検査と予防は違います。「とにかくHIV検査を受けてください。結果が陰性なら当面はスキンを外しても問題ないと思われます」、こんなことを厚生労働大臣が発言したら、みなさんどう思いますか?歴史に残る大失言ですよ。でも、残念ながら、そういう感覚の人がまだいるみたいなんです。
「病気になった人のこと聞かないから、大丈夫だよね、うん。大丈夫、大丈夫」
「事故が怖いなら車に乗るな(病気が怖いなら風俗に行くな)」
読者の方の意見を聞いていると、どちらかと言えばマイノリティーのようですが、こういう人たちまだいるようです。
知っていますか?
日本におけるHIV感染者、エイズ患者の都道府県別の人数では、HIV感染者5700人、エイズ患者1800人の東京がダントツ1位。日本全体の37%。これに神奈川、千葉、埼玉を加えると、首都圏だけで日本の50%を超えます。*1
2013年時点での日本のHIV感染者、エイズ患者の合計数は21,442人(HIV感染者は14,705人)。これは、2004年の2倍以上です。*2
※1 2013年9月厚生労働省発表の報告「日本のHIV感染者・AIDS患者の状況(2013年6月の調査)」より
※2 2014年5月厚生労働省発表の報告「平成25(2013)年エイズ発生動向年報」より
ちなみに、日本では若年層の男性を中心に梅毒患者が急増しているそうです。
ある風俗店の店員は言っていました。
「彼女はNSですが、見た目が怪しいお客様にはゴムをつけますし、検査もしていますから、ご安心いただけるかと」
オレは、あんたのその感覚が怖い。
OKMさん
リスク管理能力が低いんじゃないでしょうかね。国全体で。
よく性教育が遅れているなんて指摘されていますが、私は個人レベルでのリスク管理能力に問題があると思っています。
増加の直接的な原因は、確か同性愛者間の感染だったと思いますよ。
あとは、検査の環境が整ったというのも理由として考えられています。
逆に言えば、今まで検査が不足していたということです。
チナスキーさん、こんばんわ。
全く同感です。これだけメディアが発達し、HIVに関する報道が溢れる中、小心者の私はNSなんてとても出来ません。
少しでも安心して遊ぶことが出来る環境になるよう、プロテクトは必須ですね。
多分、自分だけはならないと思い込んでいるのでしょうが、こればっかりは、後悔先に立たず!、と悔やんでも、時すでに遅いですからね。
風俗で遊ぶ以上、多少なりのリスクは仕方なく、自己責任ですが、家族を悲しませないようにしたいものです。
TAKE55さん
若い読者に多いんですよ、「自分は病気にならないと病気の怖さは分からないんで!」って言う人。
若い人の方が、将来を考えると、経済的なリスクが高いと思うんですけどね。