「この店でひとつだけ気にくわねえのは、あの写真を外さねえことだ」
「ダメよ、破いちゃ。マルコが人間だった時の、たった1枚だけ残った写真なんだから」
映画『紅の豚』より

Title:Moscow Under Smoke Siege, Copyrighted by Boris SV
ときにはナカ州の話をしようか。
あれは毎週のように、マスコミ様が「想像を絶する大寒波がやってくる」と国民の皆様を脅していた頃だ。脅す、騙すが奴らの仕事だ。奴らに言わせると、それが正義の行いらしい。
おれはナカ州に向かう途中だった。このところ負けが込んでいるナカ州だ。今度こそ外すまいと、おれはマシェリという店に電話をした。
気になった女が2人いたから、店に相談をしようと思ったんだ。あいにく、2人とも当日欠勤だった。他の良さそうな女も、みんな朝から夕方まで予約で埋まっていた。まだ朝の9時にもなっていないんだぜ。どういうこった。世間はおれが思っているよりも、ケツ洗いを必要としているらしい。
そうだ。確か、アルテミスという店に極上のマットプレイをするイイ女がいると聞いたな。いっちょ電話してみるか。
その女は、あっさり予約が取れた。何時でもいいみたいなことを店員に言われた。マシェリとえらい違いだが、おれは何の疑問も抱かなかった。
マスコミ様の脅しどおり、その日は寒い日だった。ナカ州の風呂屋街を歩いているといつものように、右から左から声をかけられる。
「どうぞっ。寄っていって!」オバさんに声をかけられた。
このクソ寒いのに、誰が相手にするもんか。
店に着く。おれはこれから始まる美人のねーちゃんとのマットプレイが楽しみで仕方なかった。トイレに行き、口を綺麗にした。東洋式のトイレは猛烈な匂いがした。ティファナの売春バーの便所を思い出した。
今からの80分を考えるとこのションベンとウンコの臭大成もちょうどいい食前臭ってやつよ。時間が経つのが妙に遅かったから、案内部屋にあったソープ雑誌のページをめくった。こんなにいい女だらけだったら、ソープが衰退するわけがねえんだ。
そうこうしているうちに名前が呼ばれた。廊下の先に彼女はいた。
まいったな。
バービーちゃんじゃねえか。
彼女は残酷なくらいに別人だった。よくもここまで酷いことができるものだ。その非情さに頭が下がるよ。
店員さんよ、分からねえだろ?おれがこの対面をどれだけ楽しみにしていたか。こんなことって許されるのか?あの写真を見せられて、お見合いの席に登場したのがバービーちゃんでも、あんたは平気で「ご趣味は何でしょうか?」とか言えるのか?おれの目を見て言えるか?
おれは悔しくなってきた。悔しくて泣きそうになってきた。泣きそうになるなんて、アトランタオリンピックのときにモハメドアリを見て以来だ。クソっ!連中はなんでいつもいつもいつもおれたちを騙すんだ!おれたちが何をしたっていうんだ?生物兵器保有疑惑でもあるのか?タチの悪い私生児どもめ!
バービーちゃんはおれの悲しみを知ってか知らずか、おれの手を握り、
「うわー!!冷えとーね!」
と明るく言って、おれの手を服の中に入れ、乳と乳の間に挟んだ。
あったけえよ、バービーちゃん。あんたのパイオツなんでこんなにあったけえんだ。
バービーちゃんは部屋に入っても、服を脱いでも、どこまでもバービーちゃんだった。そして、とことんおれに優しかった。
服を丁寧に脱がされ、片手をおれの肩に置き、もう片手で下着の上からペニスを撫でられた。おれはバツが悪かった。オッパイのデカい女がペニスを優しく触れば、固くなるのが当然だと女は考えるだろう。親父殿の態度は無情だった。目の前の女など存在もしていないかのような態度だ。
彼女はおれに気を遣っていた。部屋の中はポカポカとしていた。風呂の湯も少し熱めにしてくれていた。寒くないと?熱くないと?何度も聞かれた。
体を洗うとおれはひとりで風呂に入った。バービーちゃんは湯船に入らなかった。
寒くないのか?
「大丈夫よ。M-テックきとーけんね!」
なんだ、そりゃ?
「ミートテックよ!」
反応に困ることを言わないでくれ。おれはどうにか軽く笑って、やり過ごした。
彼女は自分の太さをネタにしたジョークを何度も言っておれを苦しめた。「そこまで太っていないと思う」などという残酷なことはおれには言えなかった。しかし、最後にはおれたちは、バービーちゃんが普通よりも太っていることを前提とした会話を楽しんだ。彼女はずっと明るいままだった。
彼女は私をマットの上に寝かせ、先ずはおれの体を洗った。確かに彼女のマットは素晴らしかったよ。しかし、だ。エンブレイスの彼女や特別室のスタイル抜群のかわい子ちゃんと比べて、大きな違いがあるかと言えば、たいして変わらねえ。特にエンブレイスで受けたあの技。あれこそ、他じゃ味わえない逸品ってやつだ。
それでも、ナカ州はマットがサイコーと言っても間違いではないだろう。他の風呂屋街じゃ、マットがうまい女にこんなに頻繁には当らない。
マットが終わるとベッドに移動だ。
「いっぱい気持ち良くしてあげるけんね!私も気持ち良くしてっちゃん!」
まるでママのような言い方だった。だがチンコ親父は物理的な刺激を与え続けないとすぐに萎んだ。口を離してはショボ〜ン、ゴムを付けてはショボ〜ン、だった。
すまねぇ、バービーちゃん。あんた、悪い女じゃない。でも、勃たねえんだ。
おれのせいじゃないぜ、と思いつつも、おれはバービーちゃんに申し訳なかった。そして、また泣きそうになった。
なんでおれがこんなに気を使わなくちゃならねえんだ!
最終的におれは果てた。最後はおれが上になった。船に乗って揺られているような気分だった。
バービーちゃんは、以前は痩せていたらしい。短期間で急に太ったそうだ。おれが見たのは、過去のバービーちゃんだ。あの神に呪われた画像!しかもタトゥーのことなんて聞いてなかったぜ。
あの写真。バービーちゃんもあの写真の被害者だ。おれのように不幸な気持ちの客をキモチ良くしなければならない苦労。おれは、皮肉ではなく、バービーちゃんに同情した。彼女もまた、あの写真という十字架を背負って丘を登っているのだ。
おれは悔しさと疲労を感じながら、ナカ州の通りを歩いた。オバさんが、また話しかけてくる。笑顔だった。
「もう終わりましたかー?」
あぁ。終わったよ。
お店データ
場所:福岡中洲
支払った総額:28,000円(80分)
フリー or 予約:予約
営業時間:7時~24時
入店時間:木曜日12時00分頃入店
待ち時間:10分
混み具合:他に0人
5段階評価
総合満足度:2
費用対満足度:1
ボーイさん:なし(予約なので)
女の子ルックス:2(痩せたら違うかもしれない)
スタイル:1(ノーコメント)
サービス:3(普通)
嬢の印象:写真と全然違う
写真とのギャップ:写真と全然違う
以前バージンセブンさんのレポ書かれてましたが
参考にしたであろうまとめができる前後で特に酷い店員が幅を利かせて一気に劣化したんですよね。時期的に一番最悪な店員が居た時期に入られているようでご愁傷さまです。
そしてアルテミスは今も昔も悪名高いグループの一角。
良店が悪店に代わることはあっても、悪い店が良い店に代わることは中々無いですね。
名前の分からない方
コメントありがとうございました。
ヴァージングループって悪名高いのですか?特別室とボディクリニックで私が会った2人は、素晴らしかったですよ。うち1人は「チナスキーの殿堂」入りです。なので、個人的には印象は悪くないです。アルテミスにはもう行かないと思いますが。