おれは吉原をさまよっていた。
「3万円以内で、どこかの風呂屋に入ろう」ということ以外は何も決めていなかった。
お店データ
場所:東京吉原
支払った総額:65,000円から特別割引(120分)
フリー or 予約:フリー
営業時間:10時~24時
入店時間:土曜日14時30分頃入店
待ち時間:45分
混み具合:他に3人
何件かの店に入ったが、しっくりくる女はいなかった。休日の午後の吉原は客でいっぱいなのか、路上を誰も歩いていないからだろうか、軒先に店員を立たせている店がほとんどない。
3件目の店を出た後に、通りの向こうから背の高い40代くらいの黒服に声をかけられた。「アスコットクラブ」という高級店だ。近寄っては見たものの、明らかに予算オーバーだ。
「6万など払えない」
「では写真だけでも」
「分かった。見るだけ見よう」
短いやりとりで、店に入った。
細長い案内部屋に連れて行かれ、眼鏡をかけたサラリーマン風の店員が写真を3枚持ってきた。ちょうど20歳の新人にキャンセルが入ったので45分待てば入れるらしい。
「本当に美人ですから」
巨乳女だった。おれは価格交渉をした。詳しくは言えないが、価格はだいたいおれが予想していたところに落ち着いた。もちろん、当初の予算は大幅にオーバーしていた。 おれは承諾した。

Title: Bimbo Dr, Copyrighted by Gerry Dincher
彼女は系列の「エンブレムクラブ」に在籍していた。こっちも高級店だ。サラリーマンの先導でおれはその店に行った。
おれが案内待っている間に、3、4人の客が入ってきては、名前を呼ばれていった。繁盛しているのだろう。
彼女はそこそこ美しい女だ。
痩せればの話だ。アゴがオールモスト ダブルドだった。屈んだときの腹はコンプリートリー トリプルドだ。
しかし、おれをうんざりさせたのは、そんなことじゃない。
ひとめ見て分かった。この女にはやる気がなかった。真面目ではあるが、努力というものをしない。仕事とは上司から与えられたことを時間内に終わらせること。質のことは「だって言われてないから」。「単語の書き取り」をすれば報酬が貰えるという感覚の連中だ。夏休みの宿題と仕事の区別がついていないんだ。
今の日本はそんな若いビジネスマンが増えていて、大臣が四半期ごとに変わるのはそれが原因だとどこかで読んだことがある。
彼女ができたことは、おれの乳首を舐めたこと、ペニスをしゃぶったことくらいだ。マットはできないと当たり前のように言った。
パイオツはでかく、おれの指を押し戻す弾力があった。ハーフのような顔をしていた。サラリーマン店員と同様に、彼女自身も20歳であることを強調していた。高級店で20歳といったら、特別補習が必要な年齢だ。このデカパイちゃんからは1mgのトレーニングの痕跡も見当たらなかった。悪いのは誰って、店にきまっている。子の不始末は親の不始末だ。
出すもん出すと、おれはベッドの上に横になった。彼女も少し距離をあけて、横になっている。どういう経緯でそういう話になったのか忘れたが、デカパイちゃんは近いうちに店を辞めたいと言っていた。
もともと宅配健康にいたそうだ。風呂屋の個室での孤独が耐えられない、健康にいたときの待機場は楽しかった。そんな話をされた。なぜだか、その話はおれを大いに憂鬱にさせた。
おれは寒々しいマンションの一室を想像した。ところ狭しと若い女たちが無言で携帯をいじったり、ジャンクメシを食べている。10分毎に誰かが「それマジチョーうけんだけど」と言う。トイレは「オェっ」で、キッチンはゴミ袋だらけだ。昔のテキサスの安宿には必ずそういう部屋があったもんだ。
そんな場所に彼女は帰りたいと言った。まだ若いのに・・・ とんでもねえガキをつかまされちまった。
時間はたっぷりと余っていた。
「君は好きなことをしていなさい。寝てもいい。僕は本を読む」
そう言った客がいたそうだ。しかも何人も。裸の彼女の隣で携帯のゲームで遊びはじめた客、仕事をしはじめた客。
「いろんな人がいるんだなーって」
哀れな若い娘。決して自身に理由を探そうとしない。頭の中はラベンダー畑か?蜂が蜜を啜り、風が髪を揺らしているのか?
きみに断言しよう。金を払って、裸のイイ女とベッドで一緒にいるのに、携帯で遊ぶ男なんて絶対にいねえ。
彼女自身は20歳=価値と思っているに違いない。不幸な勘違いだ。おれはこれが1万円でも、同じように後悔していただろう。一瞬でもいいから、クソを捻っているときでいいから、考えてくれ。自分は客の払った金と同じ価値を与えているのか?と。
「どうでしたか?」 最初に案内を待っていた部屋に戻ると、店員が聞いてきた。
全然ダメだったね。
「そうですか・・・申し訳ありません・・・まだ慣れていないのでしょうね」
店員はおれの感想に理由を与えた。そこまで親切にはなれない。だから彼が与えた理由に同意する素振りを見せた。
帰りの車が少し遅れているそうだ。あと10分かかるらしい。その後、「あと10分」を10分毎にもう3回聞かされ、おれは歩いて帰った。 年末の休みの日に、あてもなく風呂屋街を歩くもんじゃないよ。
5段階評価
総合満足度:1
費用対満足度:1
ボーイさん:1(とくに帰り際の対応)
女の子ルックス:3(痩せれば可愛いだろう)
スタイル:2(普通と呼ぶには太りすぎている)
サービス:1(何も楽しめなかった)
嬢の印象:若い 、Bimbo(「バカ」の意)
写真とのギャップ:写真の方が痩せている
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Yさん
嬢のお名前を教えていただきありがとうございました。
>コーフンしてしまいました。
一番うれしい感想です。ありがとうございます!
ランキング上位の方は予約したほうがいいと思います。フリーで行くときは、「今日はフリーを楽しもう」っていうときだけにした方がいいと思います。「失敗したくない」>「フリーを楽しもう」なら、予約の方がいいです。